閉じ込められました

不安でした。

あの日は22時まで仕事だったのです。
事務系の職員は電車が動いているうちに早々に帰宅したけど、
シンフォニーホールの設備担当だから、
最低でもコンサート終了までは帰れない。
せめて中止にならないかと祈ったけど、
予定通り20時に開演してしまいました。

なんとか無事に仕事を終えて、
遅れながらも動いている電車に乗り込みました。
そのときはそれほどドカ雪という印象はありませんでした。
でも、地元の駅まであと2つというところで、
とうとう電車が止まってしまったのです。

はじめはパンタグラフに雪が積もったとか言っていたのに、
そのうちにかなりな区間で停電になっているとかで、
やがて照明も暖房も切れてしまいました。

駅と駅の間だったので、
すぐには外に出してもらえませんでした。
寒い中どのくらい時間がたったのか、
やっと線路に下りた時には思考が停止していました。

方角もよくわからず、
頼みのスマホも電池切れ。
傘は飛ばされてさっきからずぶ濡れ状態で、
初めての帰宅困難を味わいました。
前の大地震のときは
家で寝ていて気づきもしなかったのに・・・

思考停止状態で何とか駅にたどり着きました。
途中はでに転んでしたたかにあちこち打ちましたが、
その時点では痛さもわかりませんでした。

タクシー乗り場をみるとどう考えても無理っぽい。
駅が用意した待避所で電車の再開を待つことにしました。
コンビニで買ったスナック菓子とポケット瓶で腹ごしらえ。
少し温まったためか、身体中がきしんでいるのがわかりました。

その後も素直に電車は復旧せずに、
振り替え輸送で家に着いたのは8時過ぎでした。
職場からの電話で夕方起こされた時には、
もう全身ズタボロで、
いまだに自宅待機しているありさまです。

今回思ったのは、
途中で思考が停止して助かったということです。
そうでなければ最後まで持たなかったかもしれないし、
心に傷を負って後々引きずったことでしょう。